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<抗がん剤>「イレッサ」の延命効果示せず 輸入販売元発表
     肺がんの抗がん剤「イレッサ」(一般名ゲフィチニブ)について、輸入販売元のアストラゼネカ社は1日、日本人患者約500人を対象にした臨床試験の結果、従来の抗がん剤「ドセタキセル」と比べて同等以上に生存期間を延ばすとは言えなかったと発表した。厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会はア社の報告を受け「肺がん患者の2度目、3度目の抗がん剤治療で、一般的にドセタキセルと比べイレッサを積極的に選択する根拠はない」との見解を出した。

     抗がん剤の延命効果を日本人の患者で調べた結果が国に報告されたのは初めて。イレッサは欧米での4回の試験でいずれも延命効果を証明できなかったが、「東洋人では延命効果が示唆された」として日本では販売を認められている。

     ア社は03年9月以降、全国の抗がん剤治療歴のある肺がん患者490人を無作為に半数ずつに分け、片方をイレッサで、もう片方をドセタキセルで治療した。その結果、イレッサで治療された患者の1年生存率は48%で、ドセタキセルの54%を下回った。患者の半数が死亡するまでの期間もイレッサは12か月で、ドセタキセルの14か月に満たなかった。同調査会参考人の分析では、使用開始後1年未満で、ドセタキセルの方が生存率が高いことが示唆された。副作用による死者は、イレッサで3人。ドセタキセルはなかった。

     一方、「生活の質が改善した」と評価された患者は、ドセタキセルの約1割に対しイレッサで約2割に達した。

     イレッサは02年に世界に先駆けて日本で発売された。間質性肺炎という重い副作用で患者が続出し、死者も出た。英国のア社は欧州での承認申請を取り下げ、米国、カナダ、スイスは新たな患者へのイレッサの使用を禁じている。【高木昭午】
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